『講習制度により刑事手続を行わずに済む』はウソ(自転車運転者講習制度の誤情報4)

自転車運転者講習制度について・・・

・この制度ができたおかげで、これまでは自転車の交通違反には反則金(青切符)制度がなく、全て刑事手続(赤切符)となってしまうため、警察も摘発をためらいがちであった。
・しかし、講習制度が整備されたため、今後は刑事手続にせずに講習で済ますことができる。
・そのため、今後は自転車の交通違反の摘発が行いやすくなる。

・・・みたいな情報も出回っているようですが、はい、これも明らかな誤りでございます。

自転車運転者講習は、反復して「危険行為」に該当する交通違反を行うことが受講命令の条件とされておりますが、この事実認定は、赤切符交付などの刑事手続によって行われます[*1]。
すなわち、講習受講命令が出るときには、とっくに刑事手続が行われている・・・しかも2回以上も・・・という状況なのです。
そのようなわけで、もう、根本的というか物理的というか、とにかくそういったレベルで、『刑事手続にせずに講習で済ますことができる』はずもないわけであります。
くれぐれも、「6月1日以降は自転車も罰金にならずに済む」などといった誤解をなさらぬよう、お気をつけください。

なお、自転車の道路交通法違反に対する赤切符交付等刑事手続は、昨年で8千件超なされており、またここ7年で約10倍となるなど、積極化がなされております。
そういった点からも、『警察も摘発をためらいがちであった』というのも事実を適切に表すものではありません。
また、摘発増加傾向から、『『今後は』・・・摘発が行いやすくなる』というのも、やはり事実に照らし不適切な表現と感じます。


ところで、聞く所によりますと、この情報の発信源は弁護士とのこと・・・もはや、誰を信じていいのか分からないような混沌とした状況になってきましたね(笑)。


*1 刑事手続によって行われます。
警視庁をはじめ複数の警察機関に照会したところ、いずれからも、検察への送致・・・すなわち、赤切符交付などの刑事手続・・・をもって、危険行為をしたことをカウントするとの回答を得ました。

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コメント

自転車の講習制度に関して質問させて下さい。
従来より警察によって交付されている「自転車レッドカード」と、今回義務化される講習について、何か関係があるのかと感じていましたが、今回の記事を読んで直接の関係はないのだな、と理解しました。
講習を受ける対象となる危険行為のカウントはレッドカードの交付ではなく、いわゆる赤切符の交付などの刑事手続きによってされる(その際にレッドカードも出ているかもしれませんが)ということなのですね。

…とすると、現状交付されているレッドカードというのは、いったいどういう位置づけと考えればよいでしょうか。ネット上の情報ではレッドカード2回で講習というようなものもあり、どのようにとらえるのがよいかご助言いただければ幸いです。

mura様
警視庁などの複数の機関に問い合わせたところ、いずれからも、赤切符交付等により刑事事件化され送検された場合、という回答を得ました。
自転車レッドカード(指導警告票)は、刑事事件化するためではなく、注意を喚起するために交付するものですので、「危険行為をした」のカウントには含まれないこととなります。

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