東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例案「原案可決」

本日の東京都議会で、一時期ちょこっとだけ話題になった「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例案」が、原案のとおり可決したそうです。

>> 平成25年第1回東京都議会定例会 提出議案と議決結果
(第29号議案)

ところでですがこの条例、その中身は、以前の記事にも書きましたとおり、肝心な事項はほぼすべて規則に丸投げしちゃっているという、何とも不明瞭なものになっております。
そのため、条例が可決されたに過ぎない現段階では、今後具体的に何がどうなってしまうのかについては、まだ何も分からない状況にあると言っても、過言ではないでしょう。
マスコミ報道で取り上げられた「ブレーキ無しピスト販売禁止」に関する第23条(違法な利用となる自転車の販売等の禁止)ですら、販売禁止となる対象や適用される状況などといった細部事項は、おそらく第40条(委任規定)によって規則に定められることとなるでしょうから、これとてどうなるか現段階では何とも言えません。
(まぁ、ブレーキ無し自転車はほぼ確実に販売禁止対象となるでしょうが、しかし何をもって「違反することとなることを知って」と言えるかは規則が定められた後でないと分からないので、現時点ではブレーキ無し自転車の販売が一切禁止とは断言できません。)

この、条例による丸投げ・・・もとい、委任を受けて規則で定められることとされている事項は、販売禁止規定以外にも先述のとおり多岐に及び、自転車利用者に影響しそうなものとしては、次のようなものが挙げられます。

・基準適合自転車(第17条)
 自転車利用者は、規則で定める安全基準に適合した「基準適合自転車」を利用するよう努めなければならない。

・自転車点検整備指針(第21条)
 自転車利用者は、都が作成する自転車点検整備指針を踏まえ点検整備を行うよう努めなければならない。

・駐車場所の確保状況の確認要領(第30条)
 自転車通勤者がいる職場では、規則で定める要領で、駐車場所(駐輪場等)が確保されていることを確認しなければならない。

規則において、こういった事項がどのように定められるかが、今後の東京都における自転車の利用のしやすさ/しにくさに大きく影響することでしょう。
そのため、今般の条例案可決については、一喜または一憂するにとどまることなく、今後制定されるであろう規則の策定状況をしっかり監視していくことが、今後の東京都(ひょっとしたら全国も?)における自転車利用環境にとって大事なこととなるものと思料致しております。



ちなみにですが、実はこの条例に関し、現段階でもはっきりと言えることがあります。
それは、これも以前の記事に書いたことなのですが、都が整備すべき自転車通行環境には「自転車道の整備等に関する法律上の自転車道」すなわち自転車通行可の歩道も含まれているということでございます。
・・・これ、言い換えれば、東京都はきちんと自転車通行環境を整備する気がないってことになるでしょう(笑)。

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コメント

条例の第23条ですが、東京都の担当部署のこれまでのことを考えると、この条文は細則を定めずにこのまま運用するんじゃないかなと私は懸念してます。

そういえば、条例の第23条は、私の予想通り細部定めませんでしたね(笑
条例制定部署のことを考えると「やっぱりな」という感じですが、不利益を及ぼしかねない規定をこんな曖昧すぎるままにする東京都の姿勢は、大変問題と思います。

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