[自転車横断帯No.01] 「自転車横断帯は通らなくても良い」について書き始めます。

一年の計は元旦にあり。
平成24年1月1日、ついに決断致しました。
多くの優良車道通行自転車利用者を悩ませる、かの自転車横断帯問題について、今年こそ本ブログで書きます!
(振り記事を書いてから1年近くも放っておいてまことに恐縮でございます。)

(振り記事)
>> 自転車横断帯は通らなくても良い・・・という記事を書きたい


道路交通法には、次のような条文がございます。

--------------------
道路交通法第63条の7
自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、第17条第4項並びに第34条第1項及び第3項の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。
--------------------

自転車は、交差点を直進する際に、その「交差点の『付近」なる所に自転車横断帯がある場合には、その自転車横断帯を通らなければならない・・・という規定です。

そして、自転車横断帯は、その大半が、下図のように、交差点の少し外側に設置されています。



もし、このように設置された自転車横断帯の位置が、道路交通法第63条の7でいうところの「交差点の『付近」であるならば、この交差点を通る自転車は、自転車横断帯を通らなければならないこととなります。

またこの場合、交差点を直進するならば、自転車は次のような手順を踏まなければならないこととなります。

1.交差点の相当手前で、車道の「できるかぎり左側端」に寄り、徐行に移る。
2.左折する。
3.左折し終わるやいなや、右方向に急ハンドルを切り、その場で右90°方向転換する。
4.自転車横断帯を通行する。
5.自転車横断帯を通行し終えたならば、再び右方向に急ハンドルを切り、その場で右90°方向転換する。このとき、交差道路の「できる限り左側端」に位置する。
6.進行してきた道路及び左折先横断歩道等の交通を確認する。
7.進行してきた道路及び左折先横断歩道等の交通の妨害とならないことを確認したならば、徐行にて左折する。
8.左折し終わったならば、進行して来た道路を再び通行する。

・・・いやはや、大変です。
優良車道通行自転車利用者の方であれば、そんな義務などまっぴら御免とお思いのことでしょう。
そして、この道路交通法第63条の7に対し、憤りにも似た感情を抱いていらっしゃることでしょう。
私もかつてはそうでした。

しかしある時、ふと、こんな疑問を抱きました。


 その自転車横断帯は、車道通行自転車に対し、本当に道路交通法第63条の7の通行義務を課すものなのか?

 本当は、車道通行自転車はその自転車横断帯を通る義務は負わず、法律はそのままでも問題ないのではないか?


そして、研究に次ぐ研究・・・というと大げさですが、法令はもちろんのこと、各種文献、関連裁判例、改正法制定時における国会議事録、そして実際の自転車横断帯の設置状況を調査した結果、次の結論に至ったことは、振り記事に書きましたとおりでございます。


 交差点の辺り[*1]に設けられた自転車横断帯は、
 その多くが[*2]、
 車道通行自転車に対し、
 通行義務の効力を有しない。


なぜならば・・・
・・・その理由はいろいろとありますが、最も現実に即した理由を端的に申させて頂けば、交差点の辺り[*1]に設けられた自転車横断帯の多くは、道路交通法第63条の7でいうところの「交差点の『付近」に該当しないから、ということになります。
しかしその具体的理由は、とても1回の記事で書ききれる分量には収まりません。
そこで本ブログでは、多くの自転車横断帯が『付近』なる所には設けられていない旨を、不定期連載という形で説明して参りたいと思います。

論ずべき問題を整理させて頂きますと、次のとおりとなります。


 上図のようなよくある自転車横断帯の設置位置は、道路交通法第63条の7で言うところの「交差点の『付近」に該当するか?


ところで、多くの方は「いや、実際『付近』にあるじゃん!なに言ってんの?」と多大なる疑問をお感じのことと思います。
交差点から自転車横断帯を見て、その設置位置がどうしても「付近」としか感じられないあなた、ひょっとしたら、法理論とは関係のない日常生活上の常識に思考を邪魔されてはいませんか。
そこで次回は、法律上の用語を解釈する際には日常生活上の常識にとらわれてはならない旨を説明させて頂きたいと思います。



*1 の辺り
道路交通法第63条の7第1項にある「付近」とは異なります。
どう異なるかを説明し出すと、長くなりますので、詳細は後の記事にて・・・。

*2 その多くが
世の中には、車道通行自転車に対しちゃんと通行義務の効力を有する自転車横断帯も存在します。

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コメント

記事を非常に興味深く拝見いたしました。
「交差点の『付近』」という概念をどのように捉えるのか、非常に曖昧で警察も判断できていないのではないかと思います。
特に、片側が2〜3車線あるような幹線道路(交差点に自転車横断帯あり)において路肩を走行する自転車は、交差点の形状から10m近くも回りこむ形で無駄に横断帯を通行する必要があります。これを「付近」という曖昧な定義でどのように判断するのか、本当に交差点を直進はできないのか非常に疑問に感じております。
次回の記事では、その理由をお示しいただけるとのことで、首を長くして待たせていただきます。
失礼致します。

たいへん興味深い記事です。自転車横断帯を通らなくてもいい理屈、私も熱望します。

いつも、普通に車道を直進していますが、あの横断帯を通らなくてはいけないと知り、ちょっと戸惑いを感じています。

でも、常識的に考えて、車道を直進している自転車にあの横断帯を通れというのはありえないですよね。あれは、横断歩道を通る自転車のためのものと勝手に解釈しています。

それか、そもそも、そこら中にある横断歩道の横についた横断帯のようなものは、「道路交通法第63条の7」でいう自転車横断帯ではないのではないか?とも思えます。あれは本当に自転車横断帯なのでしょうか?

いずれにしても、警察から出た通達でも撤去することになるようですから、やっぱり矛盾した存在だったのでしょうね。

カーブは苦手様
通行義務の件はさて置いても、一見自転車横断帯のように見えるものであり、実は自転車横断帯ではないというものが、けっこう多く存在します。
またこれが困りものでございます・・・。
なお私は、交差点を通行する場合、自転車横断帯が視界に入っても自信をもって「法上の通行義務ナシ」と判断し、そのまま直進しております。このことについては徐々に書いて参りたいと思います。

tn様
個人的には、『付近』というあいまいな表現のおかげで、かえって堂々と「これは『付近』には該当しない」と判断できるのが不幸(?)中の幸いと感じております。
付近であるかどうかをいかに判断すべきかについては、徐々に書いて参りたいと思います。

この矛盾だらけの自転車横断帯とか自転車交差点進入禁止(車道から歩道に上がれ表示)とかの矛盾を何とかして欲しいものですねえ。

大型の交差点(左折専用車線のある交差点)等で、法律に矛盾なく走行できる人っていないのではないかとまで思っています。(白自転車の方でも)

一番左側の左折車線の一番左側の停止線で止まり、左折車両が並んでいるにもかかわらず、左折して自転車横断帯に到達。(停止線では後続車両には左折の手信号をするのが正しい乗り方になるのでしょうか?車道上で自転車横断帯に到達したら、今度は右折の手信号をして自転車横断帯を渡るのでしょうか?)

そして、自転車横断帯で渡り終える直前で、交差点に沿って右折の手信号を出して・・・。

交差点を直進する自動車にとっては、信号無視して交差点に進入してきた自転車のような動きに見えるわけで、大変危険。走行している自動車から見れば、ほぼ真横から交差点に入ってくるわけですから・・・。

もし2段階右折の原付バイクが交差点の隅で停車していたような場合、そのバイクを自転車は追い越せるのでしょうか?
たしか、交差点内追い越し禁止だったような・・・。

> なお私は、交差点を通行する場合、自転車横断帯が視界に
> 入っても自信をもって「法上の通行義務ナシ」と判断し、
> そのまま直進しております。

と直進しましたら、運悪くパトカーに見つかり、強引に幅寄せされて止められ、1時間以上の説教に、職務質問、持ち物検査、恫喝・・・の経験があるだけに。
(「ママチャリで車道走るな!危険だろ!・・・」につい口ごたえしたのがいけなかったのですが)

明確な根拠があったらぜひ教えていただきたいです(笑)

早く、この矛盾だらけの自転車横断帯がなくなるか、もしくは走行義務がなくならないかと祈る毎日です(笑)

車道左側走行派様
お見込みのとおり、図にあるようなよくある自転車横断帯を通ろうとすると、交差点30m手前において左折の合図を手信号により示し、自転車横断帯進入の際に右折の手信号を示すとともに右折し・・・といったことが必要となります。(安全運転義務と矛盾することとなる場合には、安全運転義務が優先され、手信号を示さずとも違法とはなりませんが。)
なお、二段階右折待機中の原付等の横を通過する行為は、追い越しには該当しないので、これは問題ないです。
それにしても、その警察の説教は、何とも災難でございましたね・・・。
昨年10月25日の警察庁通達により、このような不適切な交通取締がなくなることを期待してはいますが。
私が自転車横断帯を自信をもって無視(?)するのは、端的に申せば、自信をもって「その横断帯は『付近』にはない」と自己判断(!)できるからです。
具体的理由については、このシリーズで徐々に書いて参りたいと思います。

自転車横断帯、本当要りませんよね。
私は一時的に歩道を走るときや2段階右折の一段階目のときはお世話になってますが…。
志木高校のところみたいなひきかたなら嬉しいです。

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