警察庁の自転車交通総合対策とJABLawの活動

マスコミ報道によりますと、本日(平成23年10月25日)、警察庁が全国の警察本部に「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」なる通達を発簡したとのことです。

まだ原文を目にしておらず恐縮ではございますが、ニュースサイトからの情報によりますと、主な内容は次のとおりのようでございます。

・車道通行の促進
・歩道における「自転車通行可」規制の見直し
・自転車横断帯の撤去
・自動車用の車両通行帯を減らし自転車道等を整備
・その他、「自転車は車両」の意識啓発、歩道通行ルールの徹底、教育・取り締まりの強化など

詳細については、既に多くのニュースサイトで取り扱われているようでございますので、それらに譲るといたしまして、もしこれらが良い形で(あくまで「良い形で」です。)実現すれば、JABLawも設立時に思い描いていた本来の活動ができるようになりそうですので、その点について書いて参りたいと思います。


JABLawは、自転車の「正しい」道路交通法令を広めることによって自転車の交通事故の防止に寄与することを目指し設立いたしました。
しかし、正しい道路交通法令を伝えるのには、大きな障害がございました。
それは、このブログでも度々にわたり記事にして参りました、自転車にとってあまりにも酷い道路行政、そしてその結果整備された道路(以下「トンデモ道路」といいます。)です。

こういったトンデモ道路の最大の弊害は、自転車の正しい道路交通法令の普及を阻害する・・・いや、阻害するだけならまだしも、日本国民に誤った自転車の通行方法を植え付けかねないことでございます。
そのため、道路交通法令の普及に先立ち、まずは道路行政の問題点を法令に基づき一つ一つ丹念に指摘していくところから着手せざるを得なかったのです。
しかも、一口に「トンデモ」と言っても、その様態は千差万別、きりがありません。

また、JABLawの活動において、自転車の正しい通行方法を検討するとき、これらトンデモ道路は、道路交通法令の難解な解釈を迫って来ます。
一国民の立場としては、行政は(明らかに誤ったものを除き)法令に基づき道路整備を行っているはずであり、であるならば、そこにあるトンデモ道路も、実は安全・円滑を保ちつつ適法に通行することができるはずであるという前提に立って、法解釈を行わざるを得ません。
すると、法律上の用語一つをとっても、かなり複雑な解釈が必要となり、時に学術論文レベルの検討まで要することとなります。

しかし、今般の通達が良い形で(あくまで「良い形で」です。)実現すれば、JABLawは従来のトンデモ道路に足を引っ張られることなく、本来の活動に専念できます。
ちゃりマップも、現在のところ行政の揚げ足取りみたいな側面がありますが、これを本来の適法な通行の啓発のためのものにすることができます。
その他、トンデモ道路のおかげでなかなか進めることができなかった事業にも、手を付けることができるようになります。
今般の通達の内容が実現するのは、まだまだ先の話になるでしょうが、是非とも良い形で(しつこいようですが、あくまで「良い形で」です。)実現してもらえればなと、期待する次第でございます。


ちなみに、実は今般の通達が実現するとJABLawにとって残念なことが一つございます。
それは、自転車横断帯が撤去された暁には、研究に次ぐ研究を経て結論に至った学説「道路交通法第63条の7第1項の自転車横断帯通行義務は、多くの場合、車道通行自転車には適用されない。」が、日の目を見ることがなくなってしまうことでございます。
しかし、大切なのは言うまでもなくJABLawの自己満足より国民の交通の安全。
繰り返しになりますが、今般の通達、是非とも良い形で(これで最後、あくまで「良い形で」です。)実現して頂きたいものです。

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