逆走自転車への対応

法の原則に従って車道の左側を通る優良自転車利用者の皆さんにとって、逆走自転車は、さぞかし疎ましい存在であることと存じます。

ところで、道路通行中に前方から逆走自転車が迫って来た際、道路交通法的には、次の2つの対応方法が考えられます。

1.逆走自転車を「障害物」とみなし右側に避ける。

自転車は、道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、必ずしも左側端に寄って通行する義務は負いません。(道路交通法第18条第1項、第20条第3項)
そして、逆走自転車なる障害物の存在は、明らかに「道路の状況その他の事情によりやむを得ないとき」に該当します。
そのため、逆走自転車が向かってきたならば、右側に進路変更しても差し支えありません。
(なおこの場合、進路変更を適法に行う必要が生じます。)

2.危険を防止するため一時停止する。

自転車は、危険を防止するためであれば、例えそこが駐停車禁止場所であっても、一時停止することが許されております。(道路交通法第44条)
そして、逆走自転車が迫って来ている状況は、これすなわち危険が迫ってきている状況に他なりません。
そのため、逆走自転車による危険を防止するためという理由で一時停止しても差し支えありません。


さて、上の「1」の方法で逆走自転車に対応する場合なのですが、この方法では進路変更を行わなければならないこととなり、道路交通法第26条の2第2項の次の規定に従う必要が生じます。
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車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
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また進路変更を行うに際しては、さらに道路交通法第53条第1項および同条第2項が委任する道路交通法施行令第21条に従い、進路変更3秒前に合図(いわゆる手信号)を行う必要も生じます。

これらの動作を分解すると、次のようになります。

(1) 逆走自転車が来やがった!
(2) 後方確認
(3) 合図(手信号)を行う
(4) 3秒待つ
(5) 進路を右に変える

うーん、こいつはえらい大変です。
これが違法路駐車両を避ける場合であれば、相手は止まっているからまだいいのですが、何しろ逆走自転車はこっちに向かって来やがっております。
わずかな時間にどんどん距離がつまってくるのです。
状況によっては、上の動作をこなす時間的余裕が全くないことでしょう。


そこで、当法人きっての自転車通を誇るJABLaw常務理事もお勧めするのが、「2」の「一時停止する」方法でございます。
違法逆走自転車のために止まるのも、何だか癪に障るところではございますものの、道路の通行においては、まずは自らの身を守るのが第一でございます。しかも一時停止行為によって法的リスクも下げられますので、これは一石二鳥。

なお、危険を防止するための一時停止には、道路交通法第47条第1項及び第2項の規定が適用されませんので、「できる限り道路の左側端に沿」う必要はありません。
そもそも車道左側通行の優良自転車利用者は、通常は道路左側端に寄った位置をお通りのことと存じますので、道路の広さにもよるでしょうが、多くの場合はその場で停止して差し支えないことでしょう。

そしてJABLaw常務理事によれば、一時停止をするのに加え、さらに腕組みしながら相手(逆走自転車)をじっとにらみ続けると、効果抜群だそうです。
私も実際、機会があって何度かこの教え(?)を実践してみましたが、たいていは何だかすまなさそうな顔をして避けていってくれるので、なるほど、逆走はいけないことだと気付かせる効果が相当程度に期待できるかもしれません。

ただ、一つ気になることもあります。
それは、ときどき車道の中央方向に避けていく逆走自転車がいるということです。
もしこれで、自動車と逆走自転車との交通事故が発生したら、これは気の毒でなりません。

もちろん気の毒なのは、言うまでもなく自動車の方です。
突然中央方向に飛び出してきた自転車との事故に遭ってしまうわ、加害者扱いされるわで、いやはや、まさに踏んだり蹴ったり。これは可哀想でなりません。
逆走自転車とは、かくも他人を不幸に陥れる反社会的行為であるのです。
ここはひとつ、警察当局に徹底的な取り締まりを敢行して頂き、もってこれを撲滅されたく願う次第でございます。

・・・が、実際のところ、その肝心の警察官ですら、自転車逆走をしでかしやがっているんですよね。
いやはや、お上がからしてこの為体では、逆走自転車撲滅への道のりは、かなり険しいものがありそうです(汗)。

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コメント

逆走自転車もですが、自動車の路駐・違法駐車をなんとかしてほしいです。
路駐・違法駐車は痛ましい事故を誘引するれっきとした反社会的行為なのですからね。
肝心の自転車レーンも、その路駐・違法駐車のために台無しにされ、"機能しない・させない"状態に追い込まれているところが少なくありません。
もっと指導取り締まり、罰則強化なりするべきでしょう。事故誘引性を考えれば、即レッカー撤去が望ましいです。
自転車レーンを作る場合は、自動車が物理的に路駐・違法駐車できない構造にしなければレーンが台無しにされ機能不全に追い込まれてしまうほど
自動車ドライバーの意識が低いのも問題です。
そして日本のドライバーは制限速度すら99%以上が守られていない。

さらに言えば、自動車による側方距離1.5メートル以上を取らないスレスレ追い抜きも厳しく取り締まれるべきでしょう
あれのせいで、怖がって車道を走りたがらない自転車利用者が実に多いのです。
元凶は自動車の路駐・違法駐車などの迷惑行為、スレスレ追い抜きやクラクション、幅寄せなどの暴力走行だという実態があまりに多すぎます。

ドイツのように、市街地の自動車乗り入れを禁止して、自転車走行環境を整備してこそ、真に進んだ先進国
健康的に、安心して暮らせる社会といえるのですが・・・日本はあまりに遅れています。
自転車レーンを全国的に整備するなど少しづつは進歩、真っ当な自転車レーンを作っているのなら進歩といえるでしょうが、まだまだといえます。

佐藤様
コメントをお寄せ頂きありがとうございます。
私も、特に交差点直近駐車自動車には、しばしば困った思いを致しております。

飲酒運転対策の事例から、取り締まり強化は違法行為に対する抑制効果が見込めるでしょうから、警察の働きにも期待したいところです。
また、道路交通とは異なる分野ながら市民のマナーアップに成功した事例もいろいろと存在しますので、そういった事例に倣い、創意工夫による問題解決を道路交通においても図れないものかと、いろいろと思案しているところでございます。

2日の朝、通学途中逆走自転車に遭遇。
仕方ないので少し歩道側に寄ってすれ違おうとしたら、なんと相手の自転車の老人はベルをチャリンチャリン鳴らして「どけー」と言わんばかりに真っ直ぐ直進。
このままではぶつかってしまうので仕方なくさらに歩道側に寄ってすれ違おうとしたところ、丁度直前に降っていた雨で滑りやすくなっていた乗り入れ縁石部分で滑って転倒。
数箇所の擦り傷を負う怪我と自転車のペダル部分が大きく欠ける被害に遭いました…

そして先程ふと自転車の逆走等々について検索してみたところこのページを発見。

なるほど、少々面倒ではあるが、こんな手段があったのか!と学習。
そして、転倒した後、「あいつなんてトラックにはねられちまえー」なんて考えていたりしましたが、なるほど、いくら逆走自転車相手でも自動車の責任は重大。こんな屑野朗をはねて加害者扱いされるトラック運転手が悲惨すぎます...むしろ報酬を与えるべきじゃないでしょうか(笑)

そして必要なのは「自転車も自動車と同じ車両なのだ」ということを社会に認知させること であるとこのページを見て気づくことが出来ました


そして睡魔には勝てません 中学生みたいな文章をすいません

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