片側自転車道は諸刃の剣 - 茨城県初の国道自転車道 -

国道50号線に、国道では茨城県初の「自転車道」が一部完成し、本日供用が開始されたそうです。

>> 国道では茨城県初の「自転車道」が完成します。
(国土交通省関東地方整備局)


その本文資料(PDF)を見てみますと、元々こんな感じだったものが・・・



こんな風になったそうです。



私、この図を見て、思わず「え!片側だけなの?」と、我が目を疑ってしまいました。
そしていろいろ調べてみますと、新聞記事にも「国道50号バイパスの上り線200メートル区間」とありましたことから、どうも今回は片側にしか作っていない状態で供用を開始したようです。うーむ・・・。


片側自転車道は、法の原則に従って車道を通行するサイクリストからは、かなりボロクソに扱われております。

法に従って、車道の左側端に寄った部分を通行しているところ、進行方向右側に自転車道が出現しますと、道路交通法第63条の3により、一々車道を横断して自転車道に入らなければならないこととなります。
まぁ、自転車道がその後延々と、少なくとも数キロメートルくらい続いてくれるのであれば、しばらくの間はそのまま自転車道を走行し続けることができますので、それはそれで良いでしょう。
しかし、本日供用が開始された自転車道は、たったの200mしかありません。



200mといいますと、普段から車道を走るようなサイクリストの脚では、ゆっくり目に走っても通過するのに30秒くらいしかかかりません。そんな程度の距離です。
たったそれだけのために、一々車道を横断しなければならないとなると、自転車の交通の円滑を著しく損ねることとなります。

おまけに、自転車道の設置に係る工事費もけっこう必要となる・・・それならば、歩道の自転車通行可を解除した上で車道に自転車専用通行帯を設けた方がどれだけマシであるか。
我々の血税を投入する以上、そんな無駄なことはせず、もっと効果的に使ってもらわねば困るというものです。

さらに、このような自転車道においてその通行を推進していけば、多くの自転車利用者は、スムーズに自転車道に進入するために、その前後の自転車道が設置されていない部分でも歩道を走ろうと考えるに至ることは、想像に難くありません。
すなわち、中途半端な自転車道の設置により、自転車利用者をさらに歩道に呼び込む結果を招くこととなり、特に自転車道前後の歩道においては歩行者と自転車との錯綜を増加させる結果を生じかねません。
これでは、自転車安全利用五則の筆頭項目たる「自転車は、車道が原則、歩道は例外」に逆行するにとどまらず、かえって歩行者の安全を損ねる恐れすらございます。

以上の諸々の理由から、片側自転車道は、かなり評判が悪いわけでございます。


しかし、自転車利用者の大半が積極的に歩道を通行しているという何とも残念な現状に鑑みますと、自転車道の設置は、例えそれが片側のみであろうとも、致し方ない場合があるのも事実でございます。

国土交通省の資料に、この自転車道の目的として「歩行者と自転車を分離することにより、これらの錯綜を減らし」とありますことから、この区間を通行する歩行者は、日常的に歩道通行自転車利用者による危険にさらされていたものと推測されます。
そして、その危険性が緊急の対策を要するほどに高まっていた状況にあったならば・・・行政としては、とりあえず出来上がった部分だけでもいいから、いち早く自転車道の供用を開始し、もって歩行者の安全の速やかなる確保を図る責務を有することとなります。例え諸々の副作用を生じようとも。

このような問題は、自転車の車道通行が普及すれば、それで解決するような類のものであります。
しかし、それにはかなりの時間を要するのは必至。
であるならば、まずは応急処置的に片側であっても自転車道を設置・供用し、もって緊急課題の解決を図らんとすることも、致し方のないことでございましょう。(あくまで緊急性が高い場合ですが。)


なお本件の自転車道計画、国土交通省の資料を見ますに、整備完了の暁には、ちゃんと両側に設置されるようであります。
せっかくなので、その際には、各自転車道は一方通行にするとともに、車道から又は車道へのアプローチが円滑に行えるようにし、併せて自転車の車道通行の啓発を行政として積極的に推進してくれれば、いいかなと思います。

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コメント

 おお、こんな風な片側だけでは、私の勤務先のネズミ王国周辺地並に考え無しだと言わざるを得ませんなー。
 あの地区も時々道路を「呆゛けー」っと眺めていると、トンデモナイ箇所を見つけて頭を抱えたくなります。
 何はともあれ、知識人なり研究者なりをきちんと登用して道路整備に臨んで欲しいものですね。

化け猫常務理事殿お疲れ様です。

以前の私ですと、おそらく「こんな中途半端で供用開始するとはお前はアホか」とばかりにケチョンケチョンに扱っていたと思うのですが・・・JABLaw設立以来「現状」を観察するようになり、自転車利用者の実情を把握するにつれ、このようなアホっぽい施策であっても、緊急やむを得ず、また当の施策者サイドで不利益面を把握し勘案した上で実行しているのであれば、うーんまぁしょうがないかなと、そう感じるようになってきておる次第です。
「緊急やむを得ず」「不利益面を把握し」が満たされているかどうかについては、実は甚だ疑問に感じておるところではございますが(笑)。

もし水戸方面に何か用事ができた際には、せっかくなので、ここも「視察」(!)してきたいと思います。

こんな馬鹿げた道路はどうせまったく普段自転車なんて見向きもしない役人が提案して作らせたのでしょう

利権も絡んでいそうです


道路は点と点を結ぶ線を作らなければまったく意味がありません
こんな「点だけ」を作った行政の頭の中身を疑います

片側だけなのも酷い。
が、なによりも相互通行にしたことが最も恥ずべき失敗。
相互通行の自転車道は、いわば逆走自転車なわけですから、右折車との交差点での事故が増えますし、税金の無駄遣いですね。
こんな自転車道を伸ばすなら、今すぐにでも自動車と同じ左通行の自転車レーンを双方向に直すべきです。
茨城県民としてとっても恥ずかしい。
税金返せ!

片側だけとか絶句ですね・・・・・・。
海外先進国のインフラを見ると、本当に片側だけなどありえないという気持ちでいっぱいになります。
国民はこういった未熟で劣悪なインフラ整備にGOを出した人間をきちんと正していくために、抗議の声を届け続けましょう。

相互通行は十分な幅があれば、自転車の便利を良くするので歓迎したいところです。

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